LinuxはWindowsの領域には入れない by NEC (2000/12/14)
「Linuxサーバーが市場で注目を集めているが,アプリケーション・サーバーやデータベース・サーバーなど,現在はWindowsが利用されている分野には入ってこれない。」これは、NEC のサーバー事業統括する方がおっしゃった言葉だそうです。その理由は、Linux版ソフトの品ぞろえが進まないことを挙げておられます。「一口にLinuxと言っても,ディストリビューションはいくつもある。Linux版ソフトを開発した会社は,Red Hat Linux,TurboLinux,Miracle Linuxなど複数のディストリビューションを対象に,いちいち動作検証をしなければならず,負担は決して小さくない。一方,Windows 用ソフトならば,動作検証の手間は1回だ。」とのこと。さらに、Linux が無償で入手でき、低コストでシステムを構築できることに対しても、「システムの構築コスト全体から見れば,Windowsのライセンス料などわずかなものだ。」とおっしゃってます。
NEC の Express サーバーは、Windows 2000/NT Server を搭載した製品ですから、Windows を押す気持ちもわからないではありません。しかし、的はずれなことを言ってはいけないと思います。はたして、アプリケーションサーバーやデータベースサーバーを構築するOSの主流は、Windows なんでしょうか?違います。現在の主流は UNIX なんですよね。Linux を意識していること自体が的をはずしてます。また、Linux 用のアプリケーションサーバー、データベースサーバーは、無償のオープンソフトや商用のソフトが既に存在してますから、既に Windows? の領域に入っているんです。さらに、Linux 版ソフトは、複数のディストリビューションでテストしなければならないから負担が大きいとおっしゃってる部分は、Windows だって実はよく似たものなんですよね。2000,NTと数々のサービスパックについて検証していくのは手間です。サービスパックが出るたびに、うんざりしているソフト開発会社はたくさんあるはずです。(NEC自身もそうだと思いますよ) だから、動作検証云々はあまり説得力がありません。逆の見方をすれば、Windows 版のソフトを開発しても Windows でしか動かないじゃないですか。(笑) Linux 版のソフトを開発したら、様々なディストリビューションで動く可能性があるし、他の UNIX 系 OS に移植できる可能性もあります。IIS で開発した Web アプリケーションは、Windows でしか動かない(最近は、ある程度 Apache で動かすこともできるそうですが)じゃないですか。しかし、現在私が Linux で開発してる Web アプリケーションは、Windows でも、Solaris でも動きます。こっちのほうが幸せだと思うのですが。(笑)
この方は、以前 IBM の Linux 戦略を酷評したことがある人です。ご存じのように IBM は、上から下まで全ラインナップに Linux を用意しようとしています。AS シリーズにまで載せようという力の入れようです。一方、NEC は、Windows 2000 サーバーを中心に展開しています。Linux にも力を入れると言ってますが、こういう発言を聞きますと、限定された分野のみなりそうですね。Windows 2000 + IIS + SQL Server のみで突き進むのは、企業としては、かなりリスキーな戦略です。選択肢を多く用意することが、NEC にとってもユーザーにとっても幸せだと思うのですがねえ。
Netscape 6.0 Linux版 (2000/12/15)
Netscape 6.0 Linux版がリリースされてます。このサイトを開けた画面イメージはこれです。日本語版なので、今までのように日本語リソース云々という心配もありません。指示どおりにインストールしただけで日本語はOKです。日本語版をリリースしてくれるとはありがたいですね。