開発日誌1998年6月

NT Server を選択する意味は?(1998/06/05)

 最近、PPTP のセキュリティホールが発見されたそうですね。こういった話題も、最近は「またか」と思うだけです。免疫ができたのでしょうかね。適材適所で使えば良いとは思うものの NT Server が適する場所が実際にあるのかは疑問です。インターネットには繋げない。PPTP もダメ。ネットワークの規模が大きくなると管理が難しい。よく落ちる。たくさんのコンピュータ資源とパワーが必要。なんか悪いところばかり目につきます。

 NT Server や BackOffice の問題がこれほど取り沙汰されてくると、ユーザーも馬鹿じゃありませんから、業務に使ってはいけないということにそろそろ気づくんじゃないでしょうか。MSの原点は MS-DOS というスタンドアロンOSです。その上にGUIを乗っけた Windows 3.x。そして Windows 95へと発展してきたわけです。Windows NT は出発点が違ったはずです。しかし、Windows の悪い所を随所に取り入れてしまったようです。MSはパーソナルユースという原点に立ち返ったほうが良いのではないでしょうか。無理なことを「できます」「できるようになります」と言い続けて自分の首を絞めていると思います。

 一方 UNIX はよくできてるOSだと感心します。元々ネットワーク接続することが当たり前の土壌で育ったOSです。MS-DOS がちんたらやってた頃から UNIX は存在してました。キャリアが違いすぎますよね。また、同じ Window でも X Window はよくできてますよね。Windows Terminal なんか「今頃、何眠たいこと言うてんねん」って感じです。

 NT Server は現状では簡単に業務に使えるとは言えません。MSが言うように基幹業務に適用するなんてとんでもない話だと思います。最低限使えるようにするためには、UNIX では標準でついているソフト類までも購入しなければなりません。OS自身の信頼性にも色々と問題があります。ある程度の規模があり信頼性を確保したいのなら、MSへの幻想は捨て去って他の UNIX や汎用にも目を向ける必要があるのではないでしょうか。

嫌な思いをしてます(1998/06/09)

 仕事で嫌な思いをしています。現在、某電気機器メーカーの下請けソフト会社の請負業務をしてます。実は 6 月から担当者が変わったのですが、その人の仕事の出し方が無茶苦茶で閉口してます。週1回打ち合わせに出向いて進捗報告と作業内容指示を受ける形なのですが、打ち合わせに行っても作業指示が準備されていない、後日メールで送られてくる指示は無茶な工数、週末にならないと仕様が確定しない、はたまた、壊れたエクセルのファイルの修復をやらされ。。。とんでもない状況です。

 今日、エクセルのファイル修復やらされたのには閉口しました。そして切れました。内容は、エクセルのファイルに他のファイルへのリンクが設定されていて解除できない問題の修復です。元々、切り貼りして作ったファイルでして、その切り貼りの際にリンクが設定されてしまい解除できい状態に陥ったようです。要は、最初に作った人が悪いということなんですけど、そのファイルだけ渡して「直してくれ」とはよくぞ言ったものです。。私は MS のサポート要員ではありません!!全てのシートの解析と原因究明で、えらい時間を食いました。てめえが作ったものなんだからてめえで直すべきことのはず。自分でもどうしてこうなったのかわからなかったんでしょうね。で、「ちょうど手の空いた外注がいるからあいつにやらせよう。」ということになったんでしょうかね。私もなめられたもんです。しかしまあ、コピー、ペースト、リンクの意味も理解しないで、よくぞまあ切った貼ったしたもんです。

 まずは、Microsoft Office のセミナーか何かに言って正しい使い方を勉強したらいかがでしょう。それから、Windows の基本的な仕組みも勉強されたほうがよいでしょう。それもわからない人間はプログラムや VBA を触ってはいけません。素人がやるとロクなことありません。それから、外注にはまとまった単位の仕事を出しましょう。日々、仕事の指示をメールでするなんてことはあり得ません。何様のつもりですか?それと、工数は私が見積もります。本来、あなたが都合良く見積もるものではありません。ちゃんと指示も出せていない状況で、週末に仕様が確定し、次の週の月曜が納期、なんてことはあり得ないのです。プロをなめたらあきまへんで!!

Makefile (1998/06/16)

 自分で Makefile を書けない開発者が多くなってきたのですね。さすがに、UNIX系の開発者にはそういう人はいないと思います。しかし、Windows系の開発者は、コンパイラの統合環境が自動で生成してくれるので、中身を見たこともない人が結構いるようです。ちなみに Makefile は実行形式を生成するためのソース、オブジェクト、ライブラリ等の依存関係を記述するファイルです。make は、このファイルを解析して、変更のあったソースのみをコンパイルしたり、変更のあったオブジェクトやライブラリのみをリンクして実行ファイルを作成してくれます。統合環境がなかった時代は、このファイルを自分で書いてメンテナンスしていたんです。エディタでソースを書いて、コマンドプロンプトで make と打ち込む、という作業の繰り返しで開発してました。

 Makefile を書けないことは別に悪いことじゃありません。それだけ開発環境が整備され、非生産的な作業をやらなくて済むようになったわけです。今日ちょっとした作業のために「Makefile を作って...」と説明したら、「どうやって書けばいいんですか?」と聞かれました。で、世代のギャップを感じてしまいました。(^^;

仕事が一段落(1998/06/30)

 現在の仕事が、本日で一段落しましたのでしばらくの間は充電と営業活動の期間になりました。この機会に色んなことを吸収しなければなりません。とりあえずは Trancation Server の仕組みと実際のシステム構築について理解しようと考えています。Trancation Server を使ったシステム構築事例ってあるんでしょうかね。

 ところで、先日MSのテラバイトサーバーが公開されたそうですが、アクセスに耐え切れずにアクセス不能に陥ったそうですね。NTでのスケーラビリティの実証のために立ち上げたにもかかわらず、逆にスケーラビリティのなさを実証したわけです。(爆)

 Windows系の仕事に携わっている身なんでNTには頑張ってもらわないと困るのですけど、現状ではまだまだ厳しいですね。ディレクトリーサービスやクラスタリングがまともに使えるようになるのは2010年宇宙の旅の頃でしょうか。(爆)自らの生活のためにも、UNIX系の仕事も考えないといけないかもしれません。3年ほど UNIX系の仕事に携わった経験がありますが、なんせ X11R4 から R5 の時代です。今ではかなり変わっているのでしょうね。Trancation Server の理解より、Linux と X11R6 を入れて研究したほうがよいのかもしれないなあ。

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