EmEdirorの導入

 私が初めてFORTRANのプログラムを書いた時に使っていたエディターは MS-DOS の WordStar というワープロソフトでした。WordStar には独特のキーアサインがあって、Ctrl-C で次ページ、Ctrl-R で前ページ、Ctrl-QCで最後、Ctrl-QRで先頭など Ctrl と最大2ストロークのキーアサインで操作します。これに慣れてしまった私は、その後出た Mifes や Final などの市販エディタも WordStar ライクなキーアサインを定義して使っていました。どちらのエディタも定義済みキーアサインとして「WordStarライク」という設定があったと記憶しています。その後、c.mosさんが作ったオールアセンブラのEZエディタが出て、その後継のVZエディタが出てからは、VZにWordStarライクなキーアサインを設定して多くのプログラムを書きました。Windows の時代に移り変わってからは、秀丸とWZエディタ(VZの後継)を使うことが多かったのですが、こちらも自分でWordStarライクなキーアサインを設定して使っていました。

 Windowsのエディタは2ストロークキーを定義できないものが多いために、私が使うことができるエディタは限られます。そういう状況の中で Mifes8 を購入してからは、Mifes9、Mifes10とずっとMifesを使ってきました。Mifes のよさは安定性とCSVファイルの編集機能が秀逸であることです。私はプログラム開発だけではなくシステムの導入や運用にも関わるため、大容量ファイルを安心して編集できるエディタが必要です。Mifesはそれに十分応えてくれるエディタです。

 EmEditorの存在は2000年頃に知りました。時々インストールしては導入を検討していたのですが、昨年久しぶりにEmEditorをインストールしてしばらく使ってみました。Mifesに比べて高機能なのに軽快な動作が大変気に入りました。また大容量ファイルも問題なく扱えるしCSVファイルの編集機能もMifesと比較して十分すぎる機能を備えています。Mifesからの乗り換えを真剣に検討したのですが、その時は「TAB<->スペース変換」の仕様が若干違うことが気になって導入を見送りました。MifesははスペースをTABに変換するとテキスト全体を変換します。一方 EmEditor は行頭のスペースのみ変換します。これに少々違和感を覚えたわけです。ただ、よく考えるとプログラムソースをTAB変換した時に for(i = 0;\ti < 100; i++) などと途中のスペースがTABに変換されてもおかしいよねということに気づきました。また、そもそも私はプログラムソースにTABを使いません。4タブ、8タブの違いで見え方が変わるのを嫌うからです。TAB入りのソースをスペース変換することは多々あれど、逆はあまりないと気づいて導入を躊躇する理由はなくなりました。さっそくライセンスを購入して本格的に使う決心をした次第です。

 使い始めると、まだまだ慣れていないこともあって、やりたいことがサッとできなくてイライラすることがあります。しかし、MifesにできてEmEditorでできないことは今のところありません。逆に高機能すぎるのがネックで、例えばソートなどは aAbBなどと並んでしまって唖然としましたが、これは並び替えの設定で「バイナリ比較」とすることでABabと並べることができました。ソートひとつとってもかなり高機能で「全角、半角を区別しない」とか「数字を数として扱う」などなどの設定があり凄まじいものです。CSVファイルの扱いも機能豊富。Mifesでは簡単にできないことをいとも簡単にできてしまいます。果たして私は EmEditor 使いとして極めることができるのでしょうか。EmEditor は Mifesと違って、今も日々進化しているようですので「これは私なんぞには一生使いこなせないのではないか」などと畏れを抱いているところです。

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