開発日誌1998年10月

Oracle 8 と Sybase の Linux 対応(1998/10/23)

 Oracle 8 の Linux 対応ベーターが公開されているようです。100数十メガあるそうで、落とすことは難しいでしょうね。ZDNetの記事を読んだだけですが、絶賛ですね。Sybase は既に公開していまして、こちらは30メガ程度だそうです。これは、なんとか落とせる容量ではあります。Sybase のは、商用バージョンとほとんど変わらないそうです。業務用のソフトがそのまま動いたそうですから大したものです。

 MS SQL Server の元は Sybase ですから、移植するのが比較的容易かもしれないですね。NT + SQLServer に高い金を払ったわりにはスケーラビリティのなさに苦しんでいる所は、「なんじゃそれは!!」と言いたくなるような話だと思います。サーバー分野でのMSの苦戦は今後も続くことでしょう。やはりMSはパソコン屋さんだということでしょうか。

Linux 雑感(1998/10/24)

 Linux のページに書いてもよいのですが、あちらは、導入記録的な位置付け(私自身のメモでもあります)にしていますので、こちらへ雑感を書きます。もともと Linux の全般的な話題はこちらで扱ってきた経緯もありますしね。

 私が、初めて UNIX に触ったのはオリベッティの SystemV 系のマシンでした。Intel 386 を載せたマシン上の業務アプリケーション開発プロジェクトに参加した時のことです。プロジェクトメンバー10数人に対してマシン2台という状況の中、コーディングはパソコンで行って kermit でソースを転送して、コンパイル、リンク、実行確認を行うという状況でした。ですので、マシンに触ることができる時間が少なかったです。その時に覚えたことは、vi の使い方、ちょっとしたシェルの組み方程度だったと思います。しかも、X ではなく curses を使ったコンソールアプリケーションでしたから、まるで DOS 上のプログラムをやってるのと同じでした。

 実際に、私が UNIX をフルに使えたのは、その後、某会社でパッケージソフト開発をした時です。その時は、Sun Sparc Station を1台あてがわれました。隣には、NEC EWS4800 がありましたし、X端末も自由に使える環境でした。開発ターゲットは、NEC EWS4800 Motif のアプリケーションです。私の UNIX や X の知識はこの時代のものです。ただ、期間は2年程度で、残念ながら UNIX 系の仕事はそれ以降やったことがありません。仕事を Windows 系へシフトしてしまったのです。

 Linux を触っている今の状況は、当時の状況とある意味で似ています。当時、よく同僚と「UNIXは奥が深いなあ」とため息をついていたものです。今も同じで Linux を触っていると、自分のタコさ加減にため息が出ます。配布されているソースを見ると、自分の技術力のなさにため息が出ます。UNIX の世界には膨大な蓄積があり、そのほとんどが無償で開示されてます。Windows の世界のセコセコした汚れた感覚が洗われる気分です。くだらん商用ソフトやシェアウェアが氾濫する Windows の世界はこりごりだという気分になります。私が、Windows 系の開発を生業とするようになったのは、ある意味では正解です。私のようなタコは Windows じゃないと飯を食っていけなかったでしょう。UNIX だと私が作るものより数百倍も便利なツールや、しくみが備わっていますものね。

 Linux は堅牢なOSですし、そのOS上に自分の好きな環境を構築することができます。それだけ柔軟であるが故に初心者にはとっつきにくいのも確かです。Windows なら共通のデスクトップ環境ですし、各ソフトウェアの設定も簡単です。また、当然のように日本語を入力し表示できます。全ての設定は GUI で行えるようになってます。ところが、Linux ではこの常識は当てはまりません。Windows はMSに押し付けらた環境を強いられますけど、これも初心者にとってプラスであることは確かです。本屋には、腐る程のくだらん入門書がありますしね。よくあんなので金が取れるものだと関心しますけど、私自身が Windows によってたかって食い物にする輩の一人ですので、あまり大きな声では言えません。(笑)

 こうした Linux の状況は、徐々に良い方向へ向かっていることも確かです。国際化を意識したアプリケーションも増えてきているようです。Linux のページで紹介した Windows Maker は最初から国際化を意識した作りになってますものね。ただ、なんと言いますか、MSの世界のように怒涛のごとく事が運ぶようなことはありません。色々な混乱や混沌とした状況の中から、良いものが残っていくという世界です。ですので、パーソナルな分野での Linux 利用の促進はそう急激には広まらないでしょう。たぶん Windows の圧倒的な強さには当分の間、歯がたたないんじゃないかと思います。しかし、サーバー分野では話が違います。Linux に注目して商業ベースでビジネスしようとしている所が、良い意味で牽引となってくれそうです。実際、最近のデータベース開発各社の Linux 対応は非常に注目度が高いです。唯一対応しないのは MS SQL Server ぐらいかな。(当たり前) 元々、部門サーバーは UNIX だったわけです。そこへ「導入コストが安いですよ」「GUI操作で扱いが簡単ですよ」という営業トークで NT が入りこんだわけです。確かに、昔のワークステーションは高かったし、保守コストも馬鹿にならなかったので NT に乗り換えるところもあったわけです。しかし蓋を開けてみると、トラブルの続発、べらぼうに高くて役に立たないサポート費用、高いバージョンアップ費用、スケーラビリティのなさ、常にハードの増強が必要、と良いことはなかったというわけです。一方 Linux は、NT が動くような高性能マシンを必要としません。その上安定してます。ファイルサーバー、プリントサーバーに使うだけなら、今の Linux + SAMBA で十分です。WWWサーバー、メールサーバー、プロキシーサーバー等のインターネット系なら NT よりも Linux のほうが親和性が高いです。そして、これから始まるのはデータベースサーバーとしての Linux です。皆さん NT では散々苦労してますから、いやがおうでも期待が高まるのは自然です。

Windows 2000 (1998/10/29)

 NT 5.0 は Windows 2000 になるそうですね。Windows 95, 98 と 2000年対応してなかったので注目してはいましたが、あまりの芸のなさに大笑いしてしまいました。なにはともあれ2000年対応、おめでとうございます。(爆)

NT 4.0 が C2 クリア (1998/10/29)

 NT 4.0 SP4 で、セキュリティ C2 レベルをクリアしたそうです。知らなかった人はびっくりかもしれませんが、NT 4.0 は C2 レベルをクリアしてなかったんですね。3.51 でクリアしてるから当然 4.0 はクリアしていると思ったらとんでもありません。また、C2 レベルをクリアしてたのは、ネットワークに繋がないスタンドアロン状態においてです。繋いだとたんに C2 レベルじゃありませんので注意しないといけません。やはり、NT はシングルユーザー、マルチタスクOSなんですよ。(笑)

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