今年は Linux と Java を (2000/01/10)
昨年は Linux がブレイクした年でしたが、今年は用途も広がって実用段階に入る年になると思われます。そもそも、Linux は ISP を中心に実績がある OS ですが、各社 RDBMS の Linux 対応版も出揃いましたましたので、今年は業務系を中心に適用例が増えていきそうです。Oracle8i をインストールしてみたのですが、Linux に対応した初期のバージョンに比べて出来映えの良さに驚きました。Linux で、どれだけの性能が出るかはわかりませんが、機能的には他のプラットフォーム用の Oracle8i とまったく同じです。機能面での不足はありません。
さて、Linux とともに頑張って欲しいと思うのが Java2 です。実のところ、私は Java について懐疑的でした。私にとって不幸だったのは、Java との出会いが良くなかったことです。Java がまともに日本語を扱えなかった時代に、「こりゃ事務システム屋には無縁の世界だ」という思いこみを持ったこと。Java と接する機会が「アプレット」という狭い世界でしかなかったこと。「実行速度が遅い」という思いこみがあったこと。MS の Visual J++ を通してしか Java を見ることができなかったこと。(爆) その結果 Java に関する情報収集を怠るという不幸をまねきました。(笑) 昨年末 Java2 の仕様を見る機会に恵まれまして、「これは事務システム屋も使えるレベルだ」と思いました。特に国際化機能は実用レベル(当然ですが)ですし日本語も難なく扱えます。一太郎 Ark が開発された背景に Java2 があったことがうなづけます。Java 周辺を取り巻く技術も既に実用段階です。RDBMS との連携や分散処理、クライアント/サーバー等、現在、使われている技術を Java はカバーすることができるようです。
というわけで、今年は Linux と Java に注目しようかなと思っています。
開発環境を NT に戻す (2000/01/15)
Windows 98 に移行して以来、Windows 98 SE までダラダラと使い続けてきましたが、とうとう堪忍袋の緒が切れてサッパリと NT 4.0 に開発環境を移行しました。Windows 2000 を目の前にして、NT 4.0 もなんだかなあという思いもあったのですが Windows 2000 RC3 は却下しました。一応、検証はしてみたものの、現状では色々と問題があります。常用しているソフトの動作検証をやったのですが、Oracle 7.3 がインストールすらできなかったのが一番痛かったです。(笑)恐らく製品版になってもインストールできないのでしょうけどね。
それはそうと堪忍袋の緒が切れた理由は「メモリ不足」エラーの発生です。最近、色々と開発関係の検証をやりはじめたのがそもそもの原因。たくさんのツールを同時に動かすには Windows 98 では荷が重かったようです。ところで、巷には、このエラーメッセージに遭遇し、慌ててパソコンショップへメモリを買いに走る方がいらっしゃるようですけど、いくらメモリを積んだところで、こればっかりは解消されません。やはり正解は「NT を使う」でしょう。(爆)
何の因果か ASP (2000/01/24)
正直言って、この IIS と ASP だけにはかかわりたくありませんでした。なぜなら、こういったサイトに良い印象を持ってないからです。(爆笑) 例えば Sofmap は IIS で自サイトを構築しなおした当初、接続さえままならないという状況に陥りました。検索サイト goo は、サーバーを NT にリプレースするという暴挙に出て、破綻してしまった事件がありました。また、NT, IIS といえば、ずっとセキュリティ面の問題をかかえ続けていることも知られています。ですから、こういったものにわざわざ自分から首を突っ込むこともなかろうと考えていたわけです。
ところが、何の因果か ASP の仕事をやることになってしまいました。(少々後悔してます) セットアップは簡単で、開発もそう難しくありません。でも、IIS が応答しなくなることがしばしば発生します。開発時のミス(バグ)が引き金になるようですが、こうなると、IIS だけ再起動してもダメで NT 自体を再起動しないと復旧しません。私の知識不足が一番の原因でしょうが、OS を再起動しなきゃならんというのは、百歩譲っても納得できません!いったい、どういった設計になっているんでしょう。
という訳で、ちょっとトホホな日々を送っております。ただ IIS が普及する理由だけはわかったような気がします。恐らく開発を請け負う SI 側の都合に違いありません。高い技術力や多大な工数をかけなくとも、それなりに作れてしまうんです。悪い言い方をすれば、ノウハウのない低いレベルの SI でも参入できるんです。そういうレベルの場合、小規模なサイトでは問題にならなくても、一定規模以上のサイトだと破綻する何かが発生します。これが過去に起こった Sofmap や goo の悲劇でしょう。ハードウェア自体の性能や、NT のチューニング、IIS のチューニング、データベースのチューニングと越えなければならないハードルは多岐に渡ります。こういったチューニングは、UNIX であろうが Apache だろうが Oracle だろうが同じなんですけど、NT のチューニングは、実は難しいんじゃないかと思います。たかだか PC というハードで動くわけですし、NT 自体が結構なハードウェアリソースを消費する OS です。ハードウェアの性能アップでなんとかするにも限度ってものがあるでしょう。
と悪い面ばっかり述べましたが IIS は、セキュリティ問題を除けばそう悪くない選択かもしれません。過去に破綻したサイトも、現在ではまともに動いているところを見ると、それなりの解決策があるということだと思います。その解決策がどういったものか、私にはわかりませんけど、ソフトウェアを作る立場から見ると、「ちゃんと設計して、ちゃんと作る」という当たり前のことが重要だと思います。コンポーネント化して分散処理が可能なように設計すること。そして Script にロジックを極力持たさないこと。最後に、サイト構築自体は NT のプロに任せること。(爆笑)