TurboLinux 導入記 1999年2月

Window Maker 0.51.0 (1999/02/02)

 Window Maker 0.51.0 がリリースされましたので、さっそくインストールしてみました。今回のバージョンから LibPropList が完全に分離されました。Window Maker のアーカイブに入ってませんので、別途 LibPropList のアーカイブを入手しなければいけません。今後、Window Maker と LibPropList は別々にバージョンアップされていくのでしょう。

 パッケージを作る立場から言えば、LibPropList が統合されていたほうが都合がよかったのでちょっと残念です。パッケージをどう作ろうかと悩みましたが、LibPropList を分離せずに今までどおりの構成でパッケージしました。プライベートパッケージに置きます。

Kernel 2.2.1 のパッケージ (1999/02/04)

 Kernel 2.2.1 のパッケージが、パシフィック・ハイテック USA のサイトで公開されてます。TurboLinux 3.0.1 のアップデートとして登録されてます。さっそく Get してインストールしてみましたが、いくつかハマッた点があります。

  1. kernel-headers に抜けがある/usr/src/linux-2.2.1/include/video が入ってません。また、/usr/src/linux-2.2.1/include/uusbd のリンクが不正です。video のほうは変わったことをしない限りは必要ないのですが、uusbd のほうは、デフォルトのコンフィギュレーションが USB 対応になってるために、そのままではカーネルの再構築ができません。カーネルの再構築が必要な場合は、kernel-headers と kernel-source を入れた後cd /usr/src/linux/includeln -sf ../drivers/uusbd/include/uusbd uusbdとリンクを張り直してから、 make したらいいんじゃないかと思います。
  2. modutils-2.1.128-5 の動きが違うKernel 2.2.1 には、TurboLinux のサイトから、このパッケージを Get してインストールしなければなりません。これは、カーネルに組み込まれた USB 対応のために必要です。入れないままブートすると USB 関連のエラーが出ます。この modutils で困ったのは、conf.modules に記述したサウンドブラスターのオプションを読んでくれなかったことです。音が出なくなってしまいました。明示的にinsmod sb irq=5 io=0x220 dma=1 dma16=5 mpu_io=0x388とロードしたら大丈夫ですが、modprobe soundでは sb でエラーが出てしまいます。色々やったあげく conf.modules でオプション指定している options -k の -k をとってやれば大丈夫なことが判明しました。

 さて、2 については、conf.modules を書き換えるだけですが、1 については、問題を解決したパッケージを作成することにしました。ついでに、起動時にペンギンロゴが出るようにして、CPU を 686 に、Math Emulation を OFF にしてパッケージしました。公開してもいいんですが、カーネルだけに動かなくなったと泣きつかれても怖いのでやめときます。やったことは大したことないですし、バイナリパッケージを入れるだけなら TurboLinux US 謹製で十分です。再構築したい場合も、上に示したようにインクルードのリンクをちゃんと張ってやれば大丈夫です。

 ちなみに、起動時にペンギンさんを表示させるトリックは、.config の Console の指定です。現バージョンで make xconfig や menuconfig しても触れない部分があるのですが、そこを指定してやるとペンギンさんが出てくるようになります。これは、ついこの前公開した .config に入ってます。Console で検索してみてください。ビデオカードによると思いますが、私の ATI EXPERT 98 では大丈夫です。ただ、これを指定してやると TurboLinux US 謹製のパッケージには video が入ってないのでコンパイルができません。linux-2.2.1 のアーカイブを入手して、/usr/src/linux/include/video を手に入れる必要がありますね。

Wnn6 の xwnmo 障害の続報 (1999/02/05)

 Wnn6 for Linux/BSD Ver 2.0 の xwnmo が動かないという障害の続報です。オムロン・ソフトウェアから発表がありました。どうやら X_LOCALE なしの X 環境では動かないということらしいです。「次期バージョンで対応する」と書かれています。「じゃあ、既存ユーザーはどうなるんだ?」ということで、オムロン・ソフトウェアへ電話で確認しましたところ、なんらかの形で対応版を提供する用意があるとの回答を得ました。現在対応作業中であり提供時期は未定だそうです。それならそうと、既存ユーザーへの対応についてもサイトに明記すべきですよね。

 Linux 用の商用パッケージソフトは、対応ディストリビューションとバージョンを明確にしておいたほうがいいですね。でないと、今回のような問題が出てしまいます。例えば、パッケージに RedHat 4.x とか、TurboLinux 2.0 対応等と書かれてたら私は買わなかったでしょう。それでも買ってしまって問題が出ても、これは文句言えませんよね。しかしまあ、昨年12月時点で出荷された製品なのに、X_LOCALE ありの X しか対応してないというのは、なんだかなあという感じです。既に、X_LOCALE なしの RedHat 5.x は出回ってたし、Debian なんかもそうでしょ? そういった環境でテストしなかったんでしょうか。RedHat 4.2 + PJE が主流だったからでしょうか。X_LOCALE なしは考えてなかったということか。

 私のように不幸にも Wnn6 for Linux/BSD Ver 2.0 を購入してしまって、X_LOCALE なしの人は、ユーザー登録をちゃんとしておいたほうが良いです。でないと、修正版の案内が来ないでしょう。

TurboLinux 3.0 アップデート情報 (1999/02/06)

 TurboDesk のアップデートが、スナップショットに登録されてます。これは、色々あった問題がかなり解消されています。近々、 正式アップデートとして登録されるものと思われます。それから、TurboLinux US にある Kernel 2.2.1 のリリースが 4 にあがってます。kernel-gfs (GFS Filesystem Utilities) というパッケージが追加されています。これはいったい何なんでしょうね。私は、先日 Kernel を 2.2.1 にアップデートしたばっかりなんで、とりあえず Get するのみでインストールまでには至ってません。

Wnn6 の xwnmo 障害、続続報 (1999/02/14)

 OMRON からメールが届きました。対応モジュール作成中で、2月末をめどに配布するとのことです。頑張って頂くしかありませんね。

TruboLinux 謹製 Kernel 2.2.1 (1999/02/14)

 TurboLinux 3.0 謹製の Kernel 2.2.1 が、日本のパシフィック・ハイテックのサイトに登録されています。と、言っても non_support としての登録です。このパッケージは US のほうの問題をひきずったままです。APM版のパッケージで確認しました。kernel-header、kernel-source を入れたら、ls -l /usr/src/linux/include/uusbd としてみてください。このリンク先が /var/tmp/…. というふうな不正なリンクだったら、cd /usr/src/linux/include ln -sf ../drivers/uusbd/include/uusbd uusbd

して、リンクを張りなおしてやればカーネルの再構築ができます。

Linux 書きたいことは色々あれど (1999/02/20)

 Linux については、書きたいことが色々ある(あった)のですが、タイミングを逸してしまって何も書けないままの状態です。「私なんぞが書くこともなかろう」という意識が大きいのも事実です。それほど各メディアとも MS と Linux の話題でことかかない状態なんですね。

 その中でも IBM が Linux に本腰を入れはじめたという記事は、私にとってインパクトがありました。去年から IBM は DB2 の Linux 対応という形で関与をはじめていたわけです。そういう意味では、今さらどうってことない話なんですけど、目をひいたのが RS/6000 への対応。今回の発表は、このマシン用に PowerPC 版 Linux の開発まで関わるとのこと。恐らくローレンジ用に Linux を用意するのだと思います。これによって RS/6000 + Linux + DB2 という組み合わせで IBM ブランドの Linux マシンが手に入ることになります。IBM は、PC サーバーレベルで Linux を考えてると思ってましたので RS/6000 まで含まれることに少々驚きました。よく考えてみれば RS/6000 + NT という組み合わせがあったんですよね。このへんの需要層が Linux 版のターゲットになるのでしょう。

 次に、個人的に気になってるのが来月発売される予定の RedHat 5.2 日本語版です。TurboLinux は RedHat ベースのディストリビューションですけど、なんかしっくりこないんですよね。小賢しく独自主張している部分があって鼻につくんです。そのわりにはディストリビューターとしての資質や技術力がなんだかなあという思いがあるのです。最近は細かな修正パッケージの配布も行われつつあって 2.0 の頃よりましかなと思います。しかし、まだまだ力不足に感じますね。で、気になるのが RedHat 5.2 日本語版ということになるわけです。中身は RedHat 5.2 + PJE + αだと思うんですが、本家 RedHat との整合性を考えたらこちらのほうが楽じゃないかと思うわけです。そりゃ一番いいのは、本家 RedHat を独自で日本語化することでしょうが、私にはその気力もスキルもありません。(笑) 既に、TurboLinux 3.0 も安定稼動していますから、すぐに乗り換えることにはならないのですが、私にとって RedHat は背後霊みたいなもんでして(TurboLinux にとってもか?)、注目してるわけです。

Kernel 2.2.1 の電源断 (1999/02/21)

 Kernel 2.2.1 を導入してから、ずっと気になっていたのが、shutdown -h now で電源断してくれないこと。TurboLinux 謹製の 2.0.36-apm だと電源断してくれてたので不思議です。当然、CONFIG_APM=y, CONFIG_APM_POWER_OFF=y として再構築してるんですがダメ。TurboLinux の non_support から 2.2.1-apm を GET してインストールしてみたが、これもダメです。

 電源断してくれないから困るということもありませんが、何故なんだろうという思いがあります。SysVinit も入れ替えないとダメなのかなあ。本当は解決してから書きたかったんですが手詰まり状態です。どうせ、しょうもないこと見逃してるんでしょうね。

Kernel 2.2.1 の電源断解決 (1999/02/25)

 藤田さんに、電源断の方法教えて頂きました。halt -p とすればOKだそうです。さっそく /etc/rc.d/init.d の halt の中身を編集して halt に -p をつけてやりましたところ shutdown -h now で見事に電源が落ちました。これで、ゆっくり眠ることができます。(笑) ありがとうございます。

 さて、man halt で調べたら、この -p というオプションはのってませんでした。しかし、man -k halt でひっかかった poweroff というのを見てみると、ちゃんと書いてありました。man poweroff とすると halt の英語マニュアルが表示されるんですね。man halt では日本語マニュアルが表示されていて、こちらは情報が古いんでしょう。日本語化マニュアルを入れてあるのも良し悪しってことか。。。と言うよりも、ちゃんと更新してない私が悪いのかもしれませんね。

 ところで、kernel 2.2.2 がリリースされてますね。一応、Get して make してみたんですが、コンパイルが通りませんでした。ちょっと、忙しくて、見る時間がとれそうもないんで見なかったことにしてます。(オイオイ) 時間がとれたら見てみるつもりなんですが、その前に TurboLinux 謹製 RPM が出てしまうかもしれないですね。

Kernel 2.2.2 のコンパイルエラー (1999/02/28)

 先日、コンパイルが通らなかった Kernel 2.2.2 についてソースを見てみました。make modules の途中で、エラーが出るんですね。で、ひっかかった部分を見てみたところ確かにおかしいです。CONFIG_FILTER が指定されている場合にダメなようですね。include/net/sock.h の中に sturct sk_filter って記述があるのですが、どうもこいつがあやしいようです。どこを探してもそんな構造体はないんです。じゃあ、問題がなかった 2.2.1 はどうだったんだということで sock.h を見て見ましたら、こちらは sock_filter となってました。sock_filter は include/linux/filter.h に定義されてました。こうなってくるとお手上げです。だって、どちらが正しいのかわかりませんし、sock_filter でよいのか、あるいは全然違うものかわからないです。

 この種のトラブルは既に報告されてるはずと思って探してみたら、やっぱりありました。私が見つけた場所は、LinuxHQ です。ここには patch もありますから、それを頂いてパッチをあてたらコンパイルはとおりました。パッチの内容は、filter.h に対するものでして struct sk_filter が定義されています。どうやら、新しく sk_filter ができたようですね。

 Kernel 2.2.2 がリリースされてから日がたってるので、既に常識となってるかもしれませんが、一応、報告です。

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