TurboLinux 導入記 1999年7月

TurboLinux 4.0 申し込み (1999/07/03)

 TurboLinux 4.0 のアップグレード版を申し込みました。実は 6/24 に申し込んでいたのですが書くのを忘れてました。(笑) さあて、うまくアップグレードできるかなあ?今回は、環境再構築の時間がとれないので、新規インストールすることは避けたい心境です。色んな TL謹製以外のパッケージを入れてるから、結構危ないかもしれませんね。

TL4 アップグレードの手だてがないのか? (1999/07/08)

 TL4 のマニュアルを見て「2-C アップグレードガイド」なるものを読んでみました。が、CD-ROM にあるはずの Upgrade というディレクトリが存在しません。昨日、メールで送られてきた(TLJ の Web にも掲載されてます)マニュアル正誤表を見ると、該当の章が全文削除となってました。(大爆笑)

 これはどういうことなんでしょう?普通にインストールすればアップグレードできるのか?あるいは、アップグレードの手だてがないのか?まったくわかりません。

 というわけで途方に暮れてます。どうしたものでしょう?????

TurboLinux 4.0 インストール (1999/07/10)

 新規インストールしてみました。さっそく色々と問題に遭遇しました。やっぱり TurboLinux は TurboLinux ですね。つめが甘いです。

 インストール時にウィンドウマネージャーとして Window Maker を選択したのですが、最初にログインした際は日本語メニューが表示されてたのに、ログアウトして再度ログインしたら英語メニューになってしまいました。理由はすぐにわかったのですが、なんだかなあって感じです。対処法は、$HOME/.xinitrc を消してやって turbowmcfg でウィンドウマネージャーを選択しなおしてやれば治ります。turbowmcfg でウィンドウマネージャーが選択できないと悩んでる場合も、この対処法でOKのはずです。「.xinitrc を消してから」というのがミソです。それと、Window Maker は WMPerf が立ち上がらないですね。なんかエラーが出ます。これはよくわかりません。Window Maker 自体のバージョンが古いので、そのうち新しいのを入れてやればいいと思ってます。

 次にあれっと思ったのが pop3 が繋がらなかったこと。inetd.conf の pop3 の行をコメントアウトして kill -HUP してやってもダメでした。結局 /usr/sbin/ipop3d が入ってないと気づくまでに時間がかかってしまいました。 これは、TL3 から imap をインストールして解決。TL4 には、このパッケージが入ってないんですね。

 xemacs + Wnn6 がダメですね。変換できません。mule は大丈夫なようです。Wnn6 Ver 3.0 は xwnmo がついてます。私が購入した Ver 2.0 はなんだったんでしょう。昨年 12月に購入して、今年の4月になってやっとまともに動き出したと思ったら、たかだか 3ヶ月の命でした。(爆)

 TL3 では AfterStep のメニューに組み込まれていた便利な管理ツール類が姿を消しました。手動で turbocpanel を起動してやるとメニューが文字化け状態でした。 それと printtool が見あたらないですね。テストプリントする場合重宝してたのに残念です。代わりに turboprintcfg というのが入ってますが、こいつはテストプリントや lpd のリスタートなんかはできません。単なるコンソールベースの設定ツールです。RedHat から決別したかったのかと思いきや rhs-printfilters はちゃっかり入っているところがおもしろい。TurboLinux のサイトに行くと「TurboLinux は RedHat ではない」と宣言してます。亜流ではない独自ディストリビューションであることを強調しているわけですが、はっきり言って使う側はそんなことはどうでもいいことです。

 GNOME、KDE も試してみました。なかなかいい感じですね。見た目は KDE が好きですが、GNOME のほうが可能性を秘めてると感じました。Window Manager を切り離している所が好きです。時間がとれたら GNOME + Window Maker に挑戦してみます。

 TurboLinux 4.0 になって、悪魔の /usr/jp もなくなってすっきりしました。そのため Wnn6 も /usr/local に落ち着きました。ただ、ディストリビューションに求められるパッケージングの妙と言いましょうか、一貫性といいましょうか、そういったところが相変わらず弱いと感じました。寄せ集めの八方美人です。バグシステムを稼働させて、パッケージングの精度を高めていくということはやらないんでしょうかね。

 と、インストールしてみたら、やはり愚痴が多くなってしまいました。TL3 で安定稼働してて、GNOME や KDE に興味がないなら TL4 はいらないと思います。glibc が 2.1 に移行した時に考えてみてもいいかも。

TurboLinux 4.0 あれこれ (1999/07/11)

 「4.0 へ移行する必要があるのか?」という問題はさておき、購入してしまったものは仕方ない。ということで、移行をはじめてます。まずは、PHTじゃなかった、ターボリナックスジャパンへ「TL3 から TL4 へはどうやって移行したらよいのか?」という質問を投げておきました。やりようはあるはずです。全てのパッケージを rpm -Uvh でインストールしてやればいいわけです。しかし、多少(かなり?)の問題には目をつぶる覚悟が必要かと思います。確か TL2 から TL3 のアップグレードは、telinit 1 でランレベルを 1 に落としてからアップグレードスクリプトを走らせました。スクリプトの中身は kon 環境を入れ替えてやって、turbopkg か何かでパッケージをアップグレードインストールしてたように思います。そんなに大したことやってないはずです。商用の UNIX OS だったら「多少の問題には目をつぶる」なんてことは許されないでしょう。RedHat とか他のディストリビューションも、こんなレベルなんでしょうか?よく知らないのでなんとも言えません。ただ、Windows のアップデートに比べれば足下にも及ばないでしょう。Windows のアップデートって実はよく考えられているんです。確かに多少の問題も出ますけど、どんな環境でもアップデート可能なように考えられてテストされてます。本来、こういった一貫性の確保やパッケージングの妙がディストリビューションに求められるはずで、それを付加価値として商売が成り立つわけです。こういったことがまともにできるディストリビューションが今後生き残るはずです。

 さて、私のとった手法は、データをバックアップした上で新規インストールという極めてトラブルの起こりにくい方法です。SAMBA の共有ディレクトリと /etc, /var ユーザーのホームディレクトリ、その他設定ファイル類を tar cvzf でバックアップして別マシンの HDD へ待避しておいてから作業を行いました。現在、ほぼ元通りに動き始めてますが、TL4 になってパッケージが入ってないものがありました。昨日お話しした imap パッケージ(pop2,pop3,imap サーバー)の他に、xntp サーバー(タイムサーバー)もパッケージがありませんでした。色々と変わってるんですね。

 これから必要な作業としては、Window Maker の最新版を入れることと、Oracle のセットアップです。実は、Window Maker 0.60.0 を入れてみたんですがパッケージングがバグってました。wmaker.inst がまともに動かないです。これは、パッケージを作り直す必要がありです。あと、Oracle は、今まで NLS_LANG の設定が間違ったまま動かしてました。これを修正してデータベースを作り直すつもりです。Oracle については「Oracle8 for Linux」のほうへ後日書きます。

TurboLinux 4.0 あれこれ2 (1999/07/13)

 ターボリナックスジャパンへ投げた TL3 から TL4 へのアップグレードについての回答が来ました。結論は「できない」です。「理由は各パッケージが独自に開発され、他のパッケージに依存する、または影響を及ぼすパッケージが少なくなく、その全てを挙動を把握する事が困難だから」とのことです。商用 OS との違いを感じざる得ませんね。また、RPM というパッケージ管理の仕組みに限界があるのか?という疑問も残ります。そもそも、パッケージ管理とは、こういった問題を解決する仕組みのはずなんですが、パッケージを寄せ集めただけではグシャグシャになるということでしょうか。(笑) Debian だと厳密に管理されてるから可能なのかもしれないですね。

 さて、横山さんから、「imap等のパッケージが用意されていないというような記述でしたが、これらのパッケージは、コンパニオンディスクのTurboContrib/RPMS 以下に用意されています。」とのメールを頂きました。ありがとうございます。なるほど、そんな所に隠してあったんですね。(笑)

 現在 TL4 をインストールして悩んでいることをひとつ。。。それは Mule で Ctrl-V が利かないことです。原因がわかりません。何かの設定だとは思うのですが何なんでしょう。Ctrl-V が利かないとスクロールアップできないんですよね。この謎が解けずに悶々としております。

 それと、公開している Window Maker 0.60.0 のパッケージですが、wmaker.inst に問題を抱えてます。これは私のパッケージングミスです。/etc/X11/WindowMaker がパッケージに入ってないからです。ごめんなさい。作り直したいんですが時間がとれません。(涙)

 最後に、笑ったことをひとつ。/usr/src/redhat から /usr/src/turbo になってますね。このディレクトリは、パッケージを作る人にはお馴染みのディレクトリですが、こんな所まで拘りを持っているとは、よっぽど RedHat 色を払拭したいんですね。

わかった CTRL-V の謎 (1999/07/15)

 CTRL-V が利かなかったのは AfterStep が犯人でした。「フィール」を「自動繰り上げ」にしたらなおります。「自動繰り上げ」って何かとおもったら AutoRaise のことだったんですね。設定ファイル名を見てやっとわかりました。日本語に訳すとわからないもんです。

 /usr/share/afterstep にデフォルトの設定ファイルが入ってます。そこに feels というディレクトリがあります。その中にメニューに出てくる「フィール」の設定ファイルが入ってます。ユーザーごとのカスタマイズは ~/GNUstep/Library/AfterStep の下に存在すればそちらが優先です。feel.AutoRaise と feel.DEFAULT というファイルを見比べたら CTRL-V がなぜ利かなかったのかがわかります。

Window Maker 0.60.0 の修正 (1999/07/17)

 Window Maker 0.60.0 のパッケージ修正を行いました。wmaker.inst が正常に動作しない点をなおしました。公開するパッケージは TL4 にバンドルされている Window Maker とはディレクトリ構成を含めて若干違います。特に wmaker 本体が /usr/X11R6/bin にインストールされますので注意して下さい。このため、turbowmcfg を使った切り替えを使いたい場合は、/etc/turbowmcfgrc の修正が必要です。WindowMaker*/usr/bin/wmaker*16 と記述されている行を、 WindowMaker*/usr/X11R6/bin/wmaker*16 と修正する必要があります。それと、これはもっと重要なことですが、WindowMaker を使う際は、/usr/X11R6/bin/wmaker.inst の実行が必要です。TL4 にバンドルされている Window Maker は始めて起動される時に適当な環境設定を行ってくれる(?)ようですが、私のパッケージはそのようにはなってません。また、TL4 はデフォルトで /usr/X11R6/bin にパスが通ってないので、フルパスで実行して下さい。既に Window Maker を使っている環境の場合は、~/GNUstep/Defaults/WMGLOBAL,~/GNUstep/Defaults/WindowMaker に、MultiByteText = YES; が設定されているか確認して下さい。ない場合は、/etc/X11/WindowMaker に入っているファイルを参考に修正して下さい。

 ということで、注意点ばかりになってしまいましたが、ご容赦のほどを。。。「プライベートパッケージ」に置いておきます。

XEmacs の Wnn6 問題 (1999/07/17)

 TL4 の XEmacs で Wnn6 による変換ができない件は解決しました。ソースパッケージからリビルドです。TL4 にバンドルされている xemacs のパッケージは、ちょっと変です。configure のオプション指定から –with-wnn6 がコメントとなってます。なのに、バイナリパッケージは、japanese-egg-wnn が生きている状態なんですよね。普通、このオプション指定なしでビルドしたら、japanese-egg-wnn は使えないはずなんですけど。。。とにかく、このオプションは有効にしてやる必要があります。それと、リビルドする前に、Wnn6 の SDK を展開しておくことを忘れてはいけません。私は、/usr/local の下に展開しました。(SDK は /usr/local/OMRONWnn6/wnnsdk/sdk/Linux-2.0.0.tar.gz です)そして、configure のオプションに –site-libraries=”/usr/local/lib” を追加指定してやりました。

 xemacs は大きいのでパッケージ公開はしません。上の記述を参考にして下さい。我ながらザックリの説明だと思いますが、詳しく書き出したらキリがありませんから、よくわからないという方は「伝言板」にでも書いてみてください。if (時間がある && 気が向いたら) { 答える } かもしれません。(笑)

パッケージのアップデート (1999/07/20)

 XFree86 と SAMBA のアップデートを行いました。XFree86 は、TLJ サイトに登録されているもの。SAMBA は Ring Server に登録されている TL 用のバイナリパッケージです。

 XFree86 は、rpm -qa | grep XFree86 として、既にインストールされているパッケージを調べて、該当のパッケージをアップグレードしました。rpm -Uvh してエラーとなったのは XFree86-3.3.3.1-7.i386.rpm のみ。moonclock が conflict してると怒られました。これって前からそうなんですよね。moonclock は必要ないし、なくなっても良いので rpm -e moonclock で削除してやってからアップデートかけました。

 SAMBA は、TurboLinux 用 の samba-2.0.4b-19990519.i386.rpm、samba-debugtools-2.0.4b-19990519.i386.rpm、smbfs-2.0.4b-19990519.i386.rpm、pam_smb-1.1-1TL.i386.rpm をインストールしました。アップグレードインストールしたら、smb.conf は smb.conf.rpmsave として保存され、新規に smb.conf が作られますので、保存されたほうを元に戻しました。それから、swat は自分で設定する必要がありますので、inetd.conf と services を編集しました。[inetd.conf] swat stream tcp nowait.400 root /usr/sbin/swat swat[services] swat 901/tcp

 kill -HUP `cat /var/run/inetd.pid` してやって swat を有効にしてやりまして作業終了です。だいぶ環境が戻りつつあるものの、TL3 の時と大差ないというのが実状です。(爆笑) TL4 にアップデートしたメリットが全然ないというのが悲しい限りです。やはり glibc-2.1 への移行で、バージョンアップ&再インストールするというのが正解だったという気がしてなりません。Laser5 RedHat 6.0 が9月に出ますが、これって当然 glibc-2.1 でしょうから、この次期を節目とするのが正解かも。。。TLJ がこの次期に 5.0 になったりすれば大笑いです。(結構あり得ますよね)

TL4の謎 (1999/07/24)

 TL4 のコンパニオンディスクに入っている imap をインストールしました。しかし、pop3d にアクセスすると「パスワードが違う!!」とはじかれてしまい使えませんでした。ソースパッケージからリビルドしてもダメだったので原因は追及せずに、とっとと TL3 のパッケージに入れ替えてしまいました。

 kerneld から kmod に変わったためか SCSI を自動認識してくれなくなりました。conf.modules のおまじないもきかないようなので、/etc/rc.d/rc.modules に modprobe advansys と記述してやってます。

 rexec.d サービスが使えるようになりました。TL3 では inetd.conf のコメントはずしても使えなかったくせに、TL4 では普通に使えました。TL3 が変だったというオチです。(笑)

 TL3 でも導入直後は色々とエラーログがはかれていましたけど、TL4 もまた色々とエラーログがはかれてます。根気よく設定を調整していく必要がありそうです。

 ATOK の出来映えは良くないですね。と言うと語弊があるかもしれませんけど、専用のクライアントソフトが付いてないのは痛いかもしれません。Sun にバンドルされている ATOK をイメージしないほうがよいでしょう。私は Wnn6 を使うから、まあいいです。

 XF86Setup はなぜ使えないんでしょうね。TL3 でも色々と Upgrade しているうちに、いつのまにか使えなくなっていたのですが、これは自分が悪いと思ってました。TL4 は素の状態でもダメですね。tcl/tk との整合性なんでしょうか。。。

 これは、TL4 の謎ではないんですが、TL はプリンタのサポートが手薄だという評判を聞きました。その中には、接続できるプリンタの種類が限定されていると勘違いしている方もいらっしゃるようです。gs –help と打ってみてみればわかります。turboprintcfg では出てこないプリンタドライバがザックリあるはずですから。結局は ghostscript でサポートされているかどうかが鍵です。確かにこの設定を行うツールが貧弱だという意味で「サポートが手薄」というのは当たってますけどね。私は立派に(?)Lips4 で出力してます。

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