Windows 10 への道

 Windows 8.1 の使いにくさに日頃辟易としている私。さっそく Windows 10 へのアップグレードに挑戦しました。3台のパソコンをアップグレードしました。いずれのパソコンも Windows 10 予約からのオンラインアップデートです。

Lenovo IdeaPad Z480 の場合

CPU : Core i5

Memory : 8GB

HDD : 500GB

OS : Windows 7 Professional 64bit

このノートパソコンは2012年に購入した Windows 7 Home Premium のパソコンです。一時期は Windows 8.1 を導入していましたが、今年に入ってリカバリーして Windows 7 Professional としました。 Pro化した以外は、ほぼ初期状態の Windows 7 です。Windows 10 へのアップグレードは問題なく終了しました。

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しかし、Edge ほか主要な Microsoft アプリケーションを起動しようとすると「要素がありません」というエラーが出て起動できません。なのに Chrome などの Microsoft 以外のソフトウェアは普通に起動できます。逆の現象ならばまだしも、いったい何が起こっているのか理解できません。さらに色々と触ってみるとメーカー製の一部ソフトウェアが異常終了して使えないことがわかりました。Lenovo のサイトで調べたところ、このパソコンは Windows 10 アップグレード対象一覧に入っていないことがわかりました。Microsoft が「Windows 10 にアップグレードできるよ!」と言ったとしても素直にアップグレードしてはいけないということがよくわかりました。

パソコン工房 Lesance ベースのデスクトップパソコンの場合

CPU : Core i5

Memory : 8GB

HDD : 1TB

OS : Windows 7 Professional 64bit

 このパソコンは2010年頃に購入したデスクトップパソコンです。ビデオカードの増設と、USB接続の地デジチューナー(Buffalo製)、外付けHDDが繋がっています。先代の開発用マシンなので様々なソフトウェアがインストールされています。アップグレードに失敗した場合は結構ダメージは大きいのですが、思い切ってアップグレードしてみました。

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Edge もちゃんと起動しましたし大きな問題はなさそうです。ただし、いくつか気になる点がありました。一番気になったのはパソコンの起動が遅いこと。再起動するとなかなか立ち上がってこないんです。これはパソコンのBIOSがUEFI未対応なのが問題なのでしょうね。Windows 7時代のパソコンは古いBIOSのものが多いので 10 にするならば Windows 8 時代の UEFI 対応のパソコンが望ましいと思います。あと期待はずれだったのはスタートメニューです。Windows 8 と 7 の折衷案なので、右半分のタイルメニューが正直うざいです。これ非表示にできないんでしょうかね。Windows 7 のスタートメニューのほうがよかったと思います。Windows 8 時代に使ってた Classic Shell は Windows 10 にも対応したそうなので導入を検討しようかと思案中です。

TOSHIBA KIRA V73の場合

CPU : Core i5

Memory : 8GB

SSD: 256GB

OS : Windows 8.1 Professional

このノートパソコンは今年購入しました。TOSHIBA のサイトで確認すると Windows 10 へのアップグレードが可能であるとされており、メーカ独自アプリケーションやドライバの Windows 10 用対応版が配布されていました。メーカーサイトのアップグレード手順に従ってアップグレードを実施しました。

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それでもいくつか問題は発生しました。まずメーカーが配布している Windows 10 対応版のアップグレードモジュールの一部がインストールできませんでした。

  • 「TVコネクトスイート ダビング設定ユーティリティ」のインストールができない。

そんなソフトは入ってないというエラーでインストールできません。東芝の配布ミスでしょうかね。

  • 「TOSHIBA PC Health Monitor」のインストールができない。

これは、このパソコン用のソフトウェアでなかったようです。実は別のアップブレードモジュールがあってそちらはインストールできました。これも東芝の配布ミスですね。

アップグレード後にTOSHIBAメニューをチェックすると、「Bluetoothアシスタント」「Bluetooth設定」「新しい接続の追加(※Bluetooth)」の3つがエラーで起動できませんでした。これらは Windows 8.1 の時に使っていた東芝独自のBluetoothスタック用のソフトなのですが、10で使えなくなったようです。そのため Windows 10 導入直後は Bluetooth マウスやスマートフォンとの接続ができませんでした。これは後で Windows 10 の標準機能で設定しなおして接続できるようになりました。

さて、このノートパソコンは現役のモバイルマシンで現場へ持ち歩いています。開発環境として Oracle11g R2 と Hyper-V 仮想環境、それから自宅環境へ接続するために OpenVPN クライアントが入っています。これらが問題なく動くことは確認できました。OSの起動も速いし、WIndows 8.1 と比べて、こころなしか動作が軽くなった感じがします。(フラシーボ効果かもしれませんが。。。)

まとめ

Windows 10 へのアップグレードはメーカーが提供する独自のソフトウェアやドライバが 10 に対応しているかどうかが鍵です。さらに普段使っているアプリケーションが Windows 10 に対応していることが重要です。Microsoft が、タスクバー右側のアイコンで「Windows 10 アップグレード予約が可能」と言っても「そうですか」と安易にアップグレードするのは危険でしょう。特にノートパソコンはメーカー独自のドライバやソフトウェアが多いので、メーカーサイトで確認してからアップグレードしましょう。でないと私の Lenovo IdeaPad Z480 のような痛い目に遭うこととなります。リスクをとれない方は10にアップグレードせず、現状のまま使い続けるのが吉です。特に Windows 7 時代の古いパソコンをアップグレードするのはリスクが大きいと思ったほうが良いでしょう。 Windows 7 は使い勝手のよいOSですから Windows 10 にすると使いにくいと感じると思います。一方 WIndows 8 を使っている場合、Windows 10へのアップブレードを検討してもよいでしょう。たぶんハードウェア的にも問題は少ないと思いますし、操作性は8と比べると10のほうが良好です。ただしリスクがゼロとは言えません。色々と情報を集めてからトライしたほうが良いでしょう。お金に余裕がある方は Windows 10 が入ったパソコンを購入するのがベストですね。

Microsoft は Windows 10 で大きな方向転換を行いました。今まではOSのメジャーアップグレードを無償で実施することはなかったのです。MS-DOS以降、Microsoftのビジネス基盤はOSの開発と販売だったのです。Windows 10 で Microsoft はOSのメジャーアップグレードによって利益を得るというビジネスモデルを捨てたことになります。Office365 のように、Microsoft はパッケージ販売で利益を得るのではなく課金制(サブスクリプション)で利益を上げる方向にシフトしようとしています。その他 Azure のようなクラウドプラットフォームにも力を入れています。Windows を無料で提供する代わりに、周辺ビジネスで利益を上げる仕組みを構築しようとしているのでしょう。この方針転換はPCのハードメーカーにとって死活問題です。なぜなら新OS搭載を謳ったPCを販売するビジネスチャンスを失うことになるからです。タブレットやスマートフォンが普及しパソコンの売上げが伸びない時代、PCハードメーカーの生き残りをかけた戦いはさらに厳しいものとなるでしょうね。

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