開発日誌1999年3月

NT Vs Linux マーケティング資料 (1999/03/09)

 MSが、NT Server 4.0 と Linux を比較した「サーバーオペレーティングシステム評価ガイド」なるものを公開しました。

 前の UNIX と比較したものに比べたら、大分ましになってますね。中にはオイオイと思うところもありますが、許しがたい(笑)ものだけコメントしたいと思います。

  • セキュリティNT はセキュリティが高いと主張してますが、どんなOSを使おうとも、ちゃんと管理して設定をしなければダメです。そもそも、セキュリティホールだしまくりの NT がセキュリティについて述べるなんぞ100年早い!!と思いませんか?
  • 管理コストこれは、NT のほうが管理コストがかかるのが現実です。システム管理ツールがあるから NT は楽だという主張は成り立たないです。まず、その前にシステムがダウンする危険性が高いです。ダウンしてしまったらシステム管理ツールなんて何の役にもたたないです。必要なサーバー台数の問題も無視できません。受け持たせる機能や全体のボリュームにもよりますけど、NT のみで構成した場合は、必要なマシン台数が Linux で構成する場合よりも多くなるでしょう。NT だと専門家じゃなくても管理できるという幻想も間違い。ちゃんと管理をするためには専門家じゃないと無理です。トラブルが発生した時に、GUI だからとか、CUI だからとかは関係ありませんからね。NT の場合トラブルが発生して固まってしまったらリセットしかありませんから「管理が楽だ」と主張するのであれば納得もしますけど。
  • サポート「商用製品であるためメーカー保証がある」と言ってますが、MSは少なくとも保証してないですね。ちゃんと使用許諾書に書いてあります。製品のバグでデータを失っても保証してくれるわけじゃないんです。バグ対応については、むしろオープンソースである Linux のほうが上手です。セキュリティパッチなんかは非常に迅速ですからね。サポートについては商用製品のほうが上手のように見えます。気をつけないといけないのは、レベルの低い SI があるということ。しかも、MS自身がそうであるように、高額なサポート料を要求してきます。NT + BackOffice だと色々な問題が発生してくれるんで、皆さんウハウハなことでしょう。一方、Linux をサポートする SI は確かに少ないかもしれません。ただ、昨今のニュースにあるように大手も含めてどんどんとサービスを提供しはじめてます。今年は状況が一変しそうです。

 前回の UNIX の比較でもそうでしたが、MSは「学校」というのを意識してるんですね。昔から学校は UNIX ですから、そこへ乗り込んで洗脳しておけば、社会に出てもMSのOSを使ってくれるという構図を描いているのでしょう。もし、学生達がMSのOSやアプリケーションを使ったら、コンピュータ不信に陥るかもしれませんね。逆効果だったりして。。。

Windows 2000 は品質重視 (1999/03/17)

 Windows 2000 の互換性の低さ(NT アプリケーションの 60% しか動かない)が取り沙汰されています。先日MSは、互換性を上げる努力はするものの、安定性、品質を重視すると言い出したようですね。これは、互換性には期待するなということで、各ソフトウェアベンダーが、Windows 2000 に合わせろと言ってるのかな。(笑)MSは現在 NT4.0 の販売を強力に推し進めてますが、その理由に「NT 4.0 に移行しておけば Windows 2000 への移行も楽だ」と言ってます。でも、それは嘘だということがわかりました。

 互換性を捨てれば安定度が増すというところが「ほんまかいな」という感じです。互換性もダメで安定もしてないというオチだったら目もあてれないですね。大部分のコードが書きかえられてるわけだから互換性に苦労してるわけで、新規に起こされたコードが安定して動くというのも眉唾ものです。

IE5 リリース (1999/03/19)

 IE5 がリリースされました。このこと自体どうでもよいのですが(笑)、その発表の席で Bill Gates 氏は、興味深い発表を行った模様です。

 1つは、Windows 98 Second Edition の投入についてです。今まで OEM Release のみで小売りされなかったものを小売りするということですね。これには、今回リリースされた IE5 が含まれますし、接続共有機能ってのも搭載されるようです。プロキシーサーバー相当の機能を組み込むんでしょうかね。それを「OSに統合された機能である」と主張する。そして、セキュリティホールを出しまくって顰蹙をかう。と想像されます。(爆笑) また、HotMail と Outlook が統合されて、Outlook が HotMail のフロントエンドとして動くことができるそうです。とにかく市場の要請は「統合」だということを盾に(本当にそうか?)、全てを独占していくことを目指していることは間違いなさそうです。

 この他、Gates 氏は、聴衆に対して大いに未来を語ったそうです。(笑) 「PCそのものが今後大きく変わっていくのだということを心に留めておいてほしい」と述べたそうです。そう言われると、まるで神のお告げみたいに聞こえます。どのように変わるか?その中身については、「新たな形状の,スクリーンが主体の,手書き認識機能を備えたデバイスの登場が間近に控えている。それらには,電話,デジタルカメラ,ポケベル,セットトップボックスの形状をしたものが含まれる。そしてこれらのすべてに,ブラウザ機能が内蔵されるようになる。」だそうです。Windows CE + IE あるいは、組み込み NT + IE で実現されると考えてるのでしょうか。実現されるなら Jini かもしれないですよね。(笑) At Work はどうなった???(大爆笑)

Linux への幻想 (1999/03/21)

 ずーっと前に、「コンピュータへの幻想」という文章を書きましたが、今回は「Linux への幻想」についてです。最近、マスコミの報道のお陰で、一般にも認知度を上げた Linux ですが、やはりと言いますか Windows 95/98 を使ってた人が Linux をインストールして悲惨な目にあってしまい、散々悪口をたたいている光景を目にするようになってきました。

 インストールにつまずいたり、Xが動かなかったり、日本語版なのにドキュメントが英語だと批判したりと、文句のレベルも様々ですが、いったん嫌な目にあうと人間って自分を正当化するために、あることないことをわめき散らす傾向が見てとれます。そういう人は、とっとと Linux を止めればいいのに、ただでは悔しいから吠えるのでしょうかね。(笑)

 幻想というものに人間は弱いんでしょうか。幻想をかき立てるものに対して興味を抱き、それを求め、現実を知り落胆するという流れは永久ループなのかもしれません。人間なら、異性に対する幻想を抱いた時期があったことでしょう。それを求めて結婚して、淡い結婚生活を夢見たものの、さて現実はどうですか???と言うのは余談ですが、Windows に対する幻想もなくなったところへ Linux が現れたのか、はたまた、コンピュータへの幻想がなくなったところへ Linux が現れたのかは知りませんが、そういう人達にとっては Linux への想いも、所詮幻想でしかなかったわけです。幻想の永久ループに break を入れることができる人は、それから先、色々なものが見えてきて、うまくコンピュータを使いこなせるようになるのだと思います。漠然と幻想を抱いているかぎりは、例えハードを買い換えようが、OSを乗り換えようが、アプリケーションを乗り換えようが、何をやっても無意味ですね。ただし、永久ループを楽しむことができる人は除きます。大抵の場合、そういう人は永久ループしてない人が多いです。むしろ自分で continue して楽しんでいるとも言えます。(笑) その楽しさは私にもよくわかります。(爆笑)

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