キーボードのお話

 キーボードは我々とコンピュータを結ぶ重要な入力機器です。私がコンピュータに関わり始めた頃はMS-DOSというコマンドライン・インターフェースのOSが全盛の時代。パソコンと対話するにはキーボードから命令を入力するしかありませんでした。またパソコンと言えばNEC PC-9801が圧倒的なシェアを誇っていた頃です。どこの現場に行ってもPC-9801があり、それを使ってプログラムを作成するのことが普通でした。ですのでPC-9801純正のキーボード以外を使うことは非常に稀でした。

PC-9801初期と後期のキーボード

このキーボードと現在の日本語106(108)キーボードとの大きな違いは、CTRL、ESCキーの位置、漢字キーの有無です。PC-9801キーボードから移った際に最も困ったのがこれらのキーです。

 日本語108配列のキーボード

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PC-9801の場合、漢字入力する場合CTRL+XFERキーを押して入力開始です。今のキーボードだと位置的にはCaps Lock + 変換キーになります。PC-9801のESCキーの位置は今の漢字キーです。よく使うキーの位置や使い方が違うのでPC-9801に慣れた指は日本語106(108)キーボードへの移行時に大パニックとなりました。今でもキーボードによっては Caps Lock と CTRL キーを入れ替えることができるものがありますけど当時の名残でしょうかね。

 ところで、我々IT技術者は開発現場であてがわれたパソコンとキーボードで業務を遂行します。昔はPC-9801がデファクトスタンダードだったので問題を感じなかったのですが、今や現場には、IBM、DELL、HP、NEC、富士通と使用するパソコンのメーカーも様々です。もちろんそれに接続されているキーボードも様々なわけで、中には手にしっくりこないキーボードも出てきます。私はどうしても我慢ならない場合、自分のキーボードを持参して使わせてもらいますが、セキュリティの厳しい昨今ではそういった持ち込みを禁止している現場も多いです。ピアニストはホールに備え付けのピアノを弾くものですが(超一流のピアニストはMy楽器を運びますがね)、それと同じで与えられたキーボードで仕事ができるのがプロなのかもしれません。しかしキーボードは我々にとって重要な筆記用具です。打ちにくいキーボードだと生産性に影響するので自由にさせて欲しいと思うのは贅沢なんでしょうかね。

 さて、上の日本語108配列のキーボードは、東プレのREALFORCE (REALFORCE108UH-S) というキーボードです。オーソドックスな昔ながらのキーデザイン・配列ですが、キータッチがなかなかの優れもので世間の評価も高いキーボードです。先日自宅のパソコン用に新調しました。このキーボードを使い始めてキーボードの大切さを再認識しました。IT土方は職人として、道具にこだわりを持つべきですね。ただ、このキーボードに慣れると現場に出たとき不満が増大する予感がします。「それはそれで問題だなぁ。」と悩ましい。。。

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